ZAITEN2025年09月号
職場の驚くべきコンプライアンス崩壊ぶり
オープンハウス「特殊詐欺汚染」疑惑が裁判で浮上
カテゴリ:企業・経済
2021年1月12日、東京地裁815号法廷で、「出し子」や「受け子」として特殊詐欺に加担し、詐欺・窃盗の罪に問われたオープンハウス社員K(犯行当時)の被告人質問が行われた。起訴事実をすべて認めたKは公判中に保釈され、黒の背広と白いワイシャツ、青色ネクタイ、磨いた黒革靴を身につけて証言台に立つ。弁護人が尋ねる。
―逮捕直後から詳細を供述した。すべてを話そうと思ったわけは?
K やってしまったことが悪い犯罪であるので、深く反省して......だったり、被害者の方に多大なご迷惑をおかけしたので、すべてを話そうと思って供述しています。
あらかじめ用意していたのか、よどみなく答えた。質問が続く。
―検面調書にもあるが、自分の運転免許証の写真を(犯罪)関係者に送ったか。 K はい。
―犯行をやめられなかった理由として、報復が怖かったと述べている。
K はい。
―いまはどう? そういった恐怖はある?
K ないと言ったら嘘になるが、居住地を変えたりして、生活環境を変えることで対応しているので、もと住んでいたところに比べると(恐怖は)少ないと思う。 質問が、共犯で先輩社員のHに関する内容に移る。Hは「コーディネータ役」で、受け子や出し子の勧誘を担当していた。
―共犯者のHは会社(オープンハウス)の同僚?
K はい。
―Hが会社のほかの従業員にも、詐欺に加担するよう誘っていたと思うか。
K 誘っている可能性はあると思う。
―そう思う根拠はある?
K 私以外にもそういう話をしているような感じの場面を見たことがある。
―今回あなたは3つの詐欺グループに関係したのか。
K はい。
―最初は青色携帯電話(コインロッカーを介して渡された犯行用の青色の携帯電話)を使ったグループだった。そこに知っている名前はあったか。
K じっさいに、携帯電話の履歴みたいなところに、前に会社を辞めた人の名前があったのを確認している。
―Hは、ほかにも勧誘していた可能性は高い?
K はい。
......続きはZAITEN9月号で。