ZAITEN2022年011月号

なぜ彼らは〝忖度〟から逃れられないのか?

古谷経衡 「テレビに縋りつく『自称言論人』たちの哀れ」

カテゴリ:政治・国際

 国葬が終わった。吉田茂を除けば戦後事実上の国葬は貞明皇后(1951年6月、皇太后大喪儀)、昭和天皇(89年2月、大喪の礼)の2件だけであり、いかに歴代最長の総理大臣とはいえ、皇族と同等の国葬にすることは皇室に対し不敬ではないか、という声が所謂保守派から全く起こらなかったことは奇観である。尤も小室眞子に対しても「面汚し」と罵るぐらいだから、彼らに皇室崇敬の心など端からないのだろう。

 大喪の礼を「たいもの礼」と読んで失笑を浴びたタレント学者を始めとして、質の悪い自民党擁護が大量に繁茂している。彼らは忖度コメンテーターなどと呼ばれる。安倍晋三が亡くなったのであれば、自民党に忖度する理由は必ずしも無い。しかも岸田文雄は清和会でなく宏池会である。

では、なぜ彼らは忖度に走るのか。  

 昨今の急激な円安傾向ですら、「安倍さんが生きていたら防げた」などという根拠不明な説を展開する自称保守系評論家もいる。安倍一族と統一教会の関係性はあっても薄い、という抗弁が苦しくなった後の彼らがどのような理屈を展開するのか注視していたが、「安倍時代は良かった」という懐古路線に収斂しつつあるようだ。

......続きはZAITEN11月号で。

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