ZAITEN2026年3月号
“コメ農政復古”の決定版
「農林族農相」鈴木憲和が目論む食糧法改悪
カテゴリ:政治・国際
コメ農政の本格的な先祖返りを企図した食糧法改正案のキーワードは「需要に応じた生産」。 鈴木農相ら自民党農林族の主張通りに改悪されれば、「生産者に減反を強制することも可能になる」との指摘も出ている。
「来る総選挙ではJA農協の集票パワーを見せ付け、高市早苗首相を圧勝させよう!」 2026年度予算案の年度内成立を犠牲にしてまで、年明けの通常国会冒頭での衆院解散に踏み切った高市。与党内でも反発や疑問の声が広がる中、農林水産相の鈴木憲和や自民党農林族議員だけは「高市応援団」とでも言わんばかりに血気盛んな様子だ。
コメ不足と価格高騰を招いた「令和のコメ騒動」をきっかけに、石破茂前政権が進めた減反政策の見直しやコメ増産、流通の簡素化などの農政改革路線を、高市政権下で白紙撤回してもらった恩義があるからだ。
理由はそれだけにとどまらない。「バリバリの農林族大臣」(与党筋)である鈴木や自民党族議員にとって、「農業分野に全く関心がない」(与党筋)という高市が首相として権力の座にいれば、自分たちの思い通りに農政を操れると目論んでいる。
総選挙後の内閣改造で農相に居座る腹づもりの鈴木は、コメの高値維持を図るため、生産調整(減反政策)を法的に正当化する食糧法の「改悪案」まで農水省に準備させている。主食であるコメの価格高止まりに苦しむ家計をよそに、族議員の支持基盤であるJAの利権死守を図ろうと虎視眈々の体なのだ。
JAの意向を体現
「改悪案」のミソは、コメの減反政策を示すキャッチフレーズである「需要に応じた生産」という文言を食糧法に明記した点だ。石破前政権のようにコメの値崩れにつながる増産政策への転換を図ろうとする「不届きな輩」(鈴木周辺筋)を将来にわたって封じ込める狙いがある。言うまでもなく、族議員の後ろ盾であるJAの強い意向を体現したものだ。
主導したのは農相の鈴木と、自民党の農業構造転換推進委員会委員長の江藤拓だ。24年夏に全国各地のスーパーからコメが消えた際、江藤は農相、鈴木は副農相を務め、政府備蓄米の放出を渋り、今に至る異常な価格高騰を招いた張本人である。
......続きはZAITEN3月号で。







