ZAITEN2022年012月号

国の基幹産業を衰退させる日本に蔓延る「談合体質」

【著者インタビュー】『日本型「談合」の研究』梶原一義

カテゴリ:インタビュー

『日本型「談合」の研究 和をもって貴しとなす、入札不正の裏側』
毎日新聞出版/1,400円+税

かじはら・かずよし―1953年生まれ、北九州市若松区出身。早稲田大学商学部を卒業後、ダイヤモンド社に入社。『週刊ダイヤモンド』記者としてマクロ経済や中小企業、総合商社、化学・医薬品、窯業などを担当。以後、各種経営情報誌や単行本などの編集に従事。著書に『税金格差』(インプレス)。

―本書を上梓された動機を教えてください。
 まず、談合とは早い話が公金なり税金のかすめ取りです。日本の入札市場は年間約26兆円の巨大市場で、1件あたりの平均額は約2600万円。一般的には談合によって発注機関が受けた損害額は予定価格の20%程度とされますが、私は実際にはそれよりも多いと推測しています。まとまった統計はありませんが、談合は官公庁から民間、大都市から地方の市町村に至るまで、あらゆるところで発生しています。

 しかし、散発的にニュースになっても、あまり人々の記憶には残らない。しかも専門知識がいるので意外に分析がしづらい。事実、談合に関する研究書はほとんどありません。90年代のゼネコン汚職事件の頃は世論が盛り上がり、「談合はけしからん」あるいは「談合こそ日本の文化だ」という両方の立場から本が出て議論も活発でした。しかし、それ以降はなかなか大きな話題にならないのはなぜか。談合が巧妙化して見えづらくなり、人々の関心が離れていったからだと思います。

 私は長年、経済誌の記者をしながら、20年以上前から談合に関する新聞切り抜きなどのデータを何百と集めてきました。定年退職し時間ができた今、一人でも多くの人に談合について知ってもらいたい。その一種の使命感から執筆しました。

......続きはZAITEN12月号で。

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