ZAITEN2023年002月号

東急「落日」のホテル計画

【特集】東急 歌舞伎町「高級ホテル」で始まる〝終わりの始まり〟

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 東京・新宿を訪れる人であれば、歌舞伎町に姿を現した高層ビルに気付いているだろう。この建物は、高さ約225㍍の超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」。2023年1月11日の竣工を目指して完成間近で、開業は4月14日である。  

 タワーは東急と東急レクリエーションが、かつて「新宿TOKYU MILANO」と「カプセルホテル&サウナ・スパ グリーンプラザ新宿」があった場所を中心に開発している。地上48階・地下5階で、ライブホール「Zep p Shinjuku(TOKYO)」、ナイトエンターテインメント発信拠点「ZERO TOKYO」、劇場の「THEATER MILANOZa」、映画館「109シネマズプレミアム新宿」、飲食店などが入居する。上層階には、東急が100%出資して設立したTHMが経営し、東急ホテルズが運営する2つのホテルが5月19日にオープンする。1つはラグジュアリーホテルの「BELLUSTAR TOKYO」。客室数は97室で、全室が地上170㍍以上の39階から47階にある。東急の発表によれば、「幅7㍍の窓から眼下に東京を一望」できるほか、ペントハウス5室を備えて「宿泊に食やリラクゼーションを含めた特別の価値を提供」する。レストラン&バーは45階に展開。1室の価格は7万円以上を想定している。もう1つは、18階から38階のエンターテインメントホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU」。538室の客室を備え、レストラン&バーは17階。客室の想定金額は1室2万7000円以上だ。  

 東急グループが新宿にホテルを展開するのは初めてだが、それ以上に悪い意味でホテル業界の注目を集めている。計画自体が、関係者から失笑を買っているのだ。

歌舞伎町に超高級ホテル?

 失笑を買っているポイントはいくつもある。1点目は、猥雑な歌舞伎町にラグジュアリーホテルを展開することだ。

......続きはZAITEN2月号で。

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