ZAITEN2023年02月号

月刊ゴルフ場批評64

「市原京急カントリークラブ(千葉県)」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

ゴルフ_けいきゅんティーマーク.jpg 2022年も12月に入ると東京も一気に冷え込み、この号が出るころは寒さも一段と進んでいるだろう。気分だけでも暖かい(温かい)23年になるようにと願いを込めて、関東でも比較的温暖な房総エリア、ゴルフ銀座の市原市にある「市原京急カントリークラブ」を取り上げよう。

 その名の通り経営母体は京浜急行電鉄グループ。神奈川県を基盤とする京急が、なぜ千葉県に? とも思うが、もともとグループが所有していた土地の有効活用だったようだ。  最寄りインターは館山自動車道の市原か姉崎袖ケ浦。アクアライン経由でも京葉道からでも、ほぼ同じ時間のアクセスだ。

 国道から曲がりくねった進入路の先に見えてきたのは、年季の入った平屋のクラブハウスと、こぢんまりとした鳥かごの練習場。気持ちのいい自然の中で1日遊びたくてゴルフ場に来たのに、いきなりネットに囲まれた練習場を見せられると、個人的にはテンションが下がってしまう。

 クラブハウスは07年にリニューアルしたというが、まあ必要最低限の設備といった印象。平屋で使い勝手はいいが、やはり地味な感じは否めない。  

 客層を見るとシニア層が多い。距離も短そうだし、こりゃ〝癒し系コース〟っぽいな。  

 電磁誘導のカートに揺られてスタートホールに到着。1番はほぼフラットなうえ、拍子抜けするほど広いフェアウエー。ティーイングエリアも整備されていて気持ちよくスタートできそうたが、「けいきゅん」と呼ばれる車両を模したキャラクターのティーマークが気になる。京急アピールは分かるが、安っぽいし、何よりデカすぎて邪魔でしかない。

 ドライバー、アイアンとショボい当たりながら、何とかグリーンに到達。おや? やたらと仕上がったグリーンだぞ。アプローチは結構高いボールでグリーンに落下したはずなのに、ボールは奥のカラーでやっと止まっている。見るからに目が詰まり、硬く締まったグリーンサーフェスだ。  

 案の定、奥からのパッティングは恐ろしく速く、グリーンの外にこぼれる始末。この日は10・5フィートと書いてあったが、感覚的には12フィートは出ていそうだ。

 ほとんどのホールは地形がゆったりとしていて、厳しいハザードもなく〝癒し系〟なのに、グリーン周りだけはやたらと難易度が高い。深いバンカーに囲まれた砲台グリーンもあり、とても素人の手に負えるレベルじゃないぞ。  

 前の組の高齢者4人組は、アプローチの往復ビンタやら4パットで散々。昼のレストランでは、恨み節が声高に聞こえてきた。

 キャラクターまで登場させ、ユルそうな雰囲気を醸し出しておきながら、客層とこのグリーンはミスマッチだろう。  

 もう一つ、女性客誘致を狙ってレディースティーを新設したそうだが、ティーの向きが林に向いているなど適当感が漂っていた。  

 女性用に短くすればいいってもんじゃないし、電鉄系コースなんだから狂いのないキッチリした
〝運行〟を頼みます!

●所在地 千葉県市原市馬立3022-13 ●TEL. 0436-36-6361 ●開場 1980(昭和55)年8月24日 ●設計者 大成建設 ●ヤーデージ 18ホール、6715ヤード、パー72

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