ZAITEN2023年03月号

月刊ゴルフ場批評65

「厚木国際カントリー倶楽部」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

厚木国際1.jpg 東名高速道厚木インターを利用する「厚木」と名の付くコースは、たいていアップダウンが激しくコースも窮屈。いわゆる「狭い山岳コース」だが、例外がある。東西36ホールを誇る「厚木国際カントリー倶楽部」だ。

 もともと同エリアにしては地形に恵まれ、広々としたフェアウエーとダイナミックなレイアウトで知られ、大山や丹沢連峰、厚木市内などの眺望が楽しめる。

 さらに、2014年から大改修計画をスタート。1期工事として進めていた東コースが全面改修され、20年9月にグランドオープン。多くのホールで池が絡む現代風コースとして生まれ変わった。
 さらに、西コースは23年1月より5年かけて全面改修に入るというので、今回は改修直前の西コースをラウンド。ところが、高速を降りると、相変わらず厚木インター周辺は慢性渋滞に。これではコース到着時間が読めない。圏央道利用のルートもあるが、こちらは遠回りになるらしく、都内からは使いづらい。

 県道から進入路に進むと、巨大な外壁に「厚木国際」と大書きが目に入るが、これがクラブハウス? すごいセンスだ。

 ハウス内は天井が高くて立派。2階の回廊部分は絵画が展示され、美術館の佇まいだな。  驚いたのが、テラス風の練習グリーン。というか、そこはまさにテラスの一部で、建物の上に練習グリーンが造られている。いくら土地に余裕がないといっても、人工マットで打たされている気分。

 ハウスから徒歩7分と遠く、カートで送迎される場所に「総合練習場」という立派な練習施設があるが、この日は割愛。電磁誘導カートでスタートホールへ。  

 確かに広い! 打ち下ろしで左のOBはやや気になるものの、フェアウエー幅は40㍎以上あり、思いきってドライバーを振っていける。他の「厚木」コースでこの開放感は味わえない。

 その後も多少のアップダウンはあるが、ゆったりとした造りのホールが続く。グリーン周りはバンカーが多く、バンカー嫌いは苦労しそうだが、それほど厳しい造りではない。何よりOB杭があまり目に入らないのが嬉しい。

 この西コース、大改修では「2グリーンから1グリーンへ」、「要所に池やバンカーを絡め、多種多様の樹木で各ホールをセパレート」、「コース内を横断していた公道を廃止し迂回路を新設」、「トーナメント開催も可能なチャンピオンコースへ」とのことで、完成までの間は9ホールずつクローズし、27ホールで営業するという。

 今回の大改修でさらにパワーアップするだろうが、残念なのは過剰ともいえるコロナ対応だ。「ロッカーや風呂の使用は極力短時間に」とか「レストランでのパーテーションや黙食」程度であるならなんとか許せるが、乗用カートの座席が透明のビニールシートで4分割され、キャディ運転で後列シートに3人が乗車する場合、煩わしいことこの上ない。屋外しか走らないカートに意味はあるのか?

 人気コースなりのリスク対策だろうが、外壁の大書サインを含めて、さらに頑張ってほしい。

●所在地 神奈川県厚木市下荻野1920 ●TEL. 046-241-1311 ●開場 1959(昭和34)年11月8日 ●設計者 矢下治蔵 ●ヤーデージ 計36ホール/東コース18ホール、6477ヤード(バックティ)、パー71、西コース18ホール、6857ヤード(バックティ、Aグリーン)、パー72

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