ZAITEN2023年03月号

責任取らずに悠々自適に世間を闊歩

【特集】S級戦犯「佐藤康博」の優雅な老後

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 みずほフィナンシャルグループ(FG)をここまで凋落させたS級戦犯と言えば、前会長の佐藤康博(76年旧興銀)御年70歳だろう。最も責任を取るべき人物のはずだが、まるで何もなかったかのように世間を闊歩している。  

 システム障害を繰り返したみずほに対し、金融庁が業務改善命令を、財務省が外為法に基づく是正措置命令を出した2021年11月26日、当時FG会長の佐藤とFG社長の坂井辰史(84年旧興銀)、みずほ銀行(BK)頭取の藤原弘治(85年旧一勧)の22年4月1付けでの一斉退任が決まった。坂井と藤原が取締役も含めて退任するのに対し、佐藤は6月の株主総会まで取締役として残ることになった。経団連副会長を務める佐藤の対面を保つためだろうが、佐藤の経営責任が曖昧に映りかねない人事だった。

   すると、佐藤は7月以降も新たな肩書きでみずほに残ることになる。6月21日の株主総会に合わせて、社長経験者らが退任後に就く顧問の制度改革が発表された。それまでは終身の名誉顧問と、66歳定年の常任顧問が制度としてあった。この2つの顧問職が、特別顧問に一本化されることになった。特別顧問は1年ごとの任期で、最長で6年まで更新できる。さらに、23年7月からは、顧問の75歳定年制が導入されることが決まった。この時点で8人いる名誉顧問のうち、75歳を超えている前田晃伸など6人が退任する。この制度改革に乗じて、佐藤は取締役退任で身を引かずに、特別顧問に就任した。財経活動を継続するためだろうが、ポストを新設してまで70歳の佐藤が居座ることに、多くの関係者が首を傾げたことだろう。

......続きはZAITEN3月号で。

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