ZAITEN2023年03月号

問題なのは「品質検査不正」だけではない

日本製鋼所「いわくつき中国企業」との蜜月

カテゴリ:TOP_sub

 東京証券取引所プライム市場に上場している日本製鋼所(日製鋼)は創業1907年の老舗企業で、三井グループの一角を担う。2022年3月期の連結売上高は2137億円。売上の8割を産業機械事業が占めているほか、素形材・エンジニアリング事業なども手がける。世界最大級の670㌧の鋼塊を鍛造できる技術を有し、原子力発電用の圧力容器製造では世界シェア8割を誇っていた。

 こうした自慢の「世界最高水準の技術力」が幻想でしかなかったことを、本誌は23年2月号で伝えた。内部告発をきっかけに、子会社の日本製鋼所M&Eで品質検査の際に不正行為が行われていたことが22年2月に発覚。調査の結果、不正行為は1998年から24年間続き、499件に及んでいたことが判明した。これだけ深刻な事態にもかかわらず、発表は後手にまわり、責任問題は社長の松尾敏夫と前社長(現相談役)の宮内直孝に対して3カ月間月額報酬を30%減額する処分に留まった。引責辞任もない大甘処分だ。当然ながら信頼は地に落ちた。株価も昨年は年初来高値が4325円に対し、不正が世間に明らかになった直後の5月11日には2462円まで大暴落した。今年1月に入っても、2600円前後を行き来している。

......続きはZAITEN3月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

ゆうちょ銀行「老害・池田退任」でも前途多難

LINEヤフー「総務省カンカン」で解体危機

三菱重工「MSJさえ造れない」「H3」成功もロケット市場で惨敗必至

エネオス「脱・日石支配」偽装の新経営体制

佐高信 vs. 森 達也「傍観を続けるメディアに存在価値なし」

【特集】JR東日本を蝕む「喜勢リスク」と〝2人の老害〟

【特集】JR東日本を蝕む「喜勢リスク」と〝2人の老害〟

【特集】大林組「大林剛郎会長」と〝2人の女性〟

丸ノ内ホテル「お釣り渡し忘れ事件」に学ぶ危機管理

ヒューリックが掴んだ「東郷神社土地ビル」の大惨事