ZAITEN2023年05月号

集中連載【第2回】2回目となる今回は、やたら喧しい神宮外苑再開発に迫る。

上杉隆が暴く 「五輪疑獄」は終わらない

カテゴリ:事件・社会

 明治神宮外苑の杜が喧しい。この10年間、東京都新宿区霞ヶ丘町と港区北青山にまたがる都心の憩いの場、神宮外苑が騒動の源になることが多い。きっかけは2020東京五輪であった。五輪と神宮外苑の関係を振り返ろう。

 2013年、アルゼンチン・ブエノスアイレスでのIOC(国際オリンピック委員会)総会で、東京五輪の開催が決まると神宮外苑に注目が集まる。高騰する総工費問題など紆余曲折があったものの新国立競技場の建設が正式に決まり、そのどさくさで日本青年館やJSC(日本スポーツ振興センター)も新築される。神宮外苑エリア全体の再開発も必至となった。

 16年には都営霞ヶ丘アパートの取り壊しが始まり、19年にはラグビーワールドカップが開催され、いよいよ東京五輪開催の20年が迫る中、コロナ禍が世界を襲い、計画の変更を余儀なくされる。

 21年、1年延期された五輪本番が終わっても神宮外苑再開発の波は止まらない。神宮球場や秩父宮ラグビー競技場の新設、180㍍超の2棟の高層ビルの建設が決まり、今年2月、小池百合子都知事が正式に再開発のGOサインを出した。これによって、100年ぶりに神宮外苑が大きくその姿を変えることが決定した。

考えが違った2人の都知事

「なんとか止める手立てはないかと考えていましたが、小池都知事がストップをかければ止まるんです。3000本もの樹木が伐られるのは環境にとっても良いはずがない。都は再開発で『緑地が整備される』とよく言いますが、樹齢100年の巨木を伐採しておいて、緑地整備などとよく言えたものです」

 年末、オンライン報道番組『ニューズ・オプエド』に出演して、こう怒りを露わにしていたのは、日本在住の米国人実業家、ロッシェル・カップ氏だ。不思議なのは、彼女が先頭に立って進めている署名活動には、いわゆるリベラル系ばかりが集い、保守層の姿が見えないということだ。同じく伐採計画のある都立日比谷公園や都立葛西臨海公園の改修と違って、明治神宮外苑の樹木は、保守派が崇敬する明治天皇の樹木だ。なぜ、彼らが沈黙しているのか、理解ができない。

......続きはZAITEN5月号で。

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