ZAITEN2023年08月号

後発医薬品「沢井製薬」社長交代人事の怪

カテゴリ:企業・経済

 国内後発薬の雄、サワイグループホールディングス(HD)の不可思議なトップ人事に楽屋雀が騒いでいる。5月11日公表の人事ではHD会長の澤井光郎が社長を兼務し、社長の末吉一彦は代表権のない副会長に就く。中核子会社の沢井製薬では社長の澤井健造が副会長となり、社長には生産本部長を務めていた取締役常務執行役員の木村元彦が昇格する。  

 よくある人事のように見えるが、異様なのは創業者の一族である健造がグループの経営トップから実質的に閉め出されたこと。HDで務めていた代表取締役副会長も退任し、今後は沢井製薬の取締役副会長としてのみ残る。会長兼社長となる光郎を「必要に応じて補佐する役割を担う」(サワイグループHD)というが、中2階に置かれたとも見える。後発薬の安定供給を可能とする業界環境が実現できるように本人から「業界活動に専念したいとの申し出があった」(サワイグループHD)とするが、この言葉を真に受ける関係者は皆無だ。

......続きはZAITEN8月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

SBI北尾が宣う「新生銀の上場時時価総額」に市場が難色

ダルトン「買収防衛策」包囲網で万事休す

田辺三菱「高給取り新経営陣」起用の〝放蕩ぶり〟

日本製鉄〝鬼っ子〟USスチールの「深刻な危機」

令和の「信用金庫・信用組合クライシス」

東京電力 経産省が完全国有化目指すも「資金繰り破綻」寸前

【特集2】東急の「渋谷再開発」がダメダメな理由

【特集1】「洋上風力開発破綻」で始まる〝撤退ドミノ〟

【特集1】中西社長に問われる〝責任問題〟追及の大合唱

【特集1】三菱商事が抱える「欧州最大規模の環境汚染」