ZAITEN2023年09月号

集中連載【最終回】「五輪カルテル」は神宮の森へ……

上杉隆が暴く「五輪疑獄」は終わらない

カテゴリ:事件・社会

 1年前の2022年の夏、元電通で五輪組織委員会理事の高橋治之氏が逮捕されてから、事件の本丸である元首相に対し捜査のメスが及ぶかどうかが、最大の関心事であり続けている。  

 じつは、本連載も元首相を最終ターゲットにしているという検察関係者からの複数情報から始まったといっても過言ではない。  

 結論からいえば、現時点で元首相は逮捕されていない。しかし、この1年間で、森喜朗元首相への事情聴取の回数は3回を数え、周辺の参考人ものべ数十回の聴取を受けている。つまり、いまも検察当局の捜査は続いているのだ。それは海外の動きでも明らかだ。

パリ五輪捜査と東京五輪

 23年6月20日、フランス・パリ郊外、サンドニの7階建てビルにスーツ姿の険しい表情の男たちが次々と呑みこまれていった。ビルのエントランスには「PARIS2024」のロゴが掲げられている。24年夏開催のパリ五輪の組織委本部にフランス捜査当局の家宅捜索が入った。そのことと日本の汚職はまったくの無関係とはいえない。  

 仏検察当局は、パリ五輪組織委から入札や契約に関する証拠書類の提出を受けた。パリ五輪組織委の事業発注契約を巡る公金横領や便宜供与、違法利得などの容疑、すなわち汚職事件だ。

......続きはZAITEN9月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

読売新聞「社長の恩人」の個人トラブルに右往左往

百貨店が溺れる「免税品販売」高額リベートの謎

帝京大学「冲永理事長夫妻」の〝公私混同〟疑惑

いわき信組の「乱脈経営」は金融庁の怠慢

【特集】香害に家族の平穏を奪われた、ある女性の手記

【特集】香害問題の〝主犯〟マイクロカプセルの謎

【特集】「香害」を垂れ流す消費財メーカーの大罪

厚労省の「6億円民間病院融資」が〝くせ者〟に流出

福島第一原発「経産省補助金」が〝コンプラ問題企業〟へ

目白大学「裁判敗訴」でも居座る〝天下り理事長〟