ZAITEN2023年11月号

会長光郎派閥の横暴「検査不正」の遠因に

沢井製薬「ガバナンス不全」で内部崩壊

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 本誌10月号が報じた後発薬(ジェネリック医薬品)大手、沢井製薬の検査不正問題の火の手が広がっている。複数の専門紙も取り上げたことにより、薬剤師ら現場の医療従事者からも沢井製薬、さらに検査不正の隠蔽を指示した疑いのある厚生労働省に不信感を抱く声が続々と上がっている。自民党からも問題視する指摘が出るが、沢井製薬は依然として沈黙を貫いている。

「シャレにならない」「供給が詰む」―。本誌10月号が9月1日に発売後、薬剤師とおぼしきX(旧ツイッター)の利用者からはこんな投稿が相次いだ。いずれも沢井製薬が検査不正を行い、同社の後発薬が入手できない可能性が出てきたことへの不安の声だ。国内後発薬大手の1社だった日医工で大規模な製造・品質不正問題が発覚、2021年に処分を受けて以降、医薬品の供給が不安定化し、場合によっては処方できない状況が薬局などの現場では続く。「患者への説明や対応に疲れた」と嘆く医療従事者にとって、国内後発薬市場でシェア1、2位を争う沢井製薬で不正が起きたことは大きな衝撃だった。  

 沢井製薬の一連の問題は、今年5月、同社九州工場(福岡県飯塚市)で生産する胃炎・胃潰瘍治療薬「テプレノンカプセル」で検査不正が続いていたことが分かったことに端を発する。その期間は、少なくとも10年。本来の試験方法とは異なるやり方を行っていたという「GMP違反」だ。判明した際に発表すべきにも関わらず、会長の澤井光郎、現・社長の木村元彦、現・専務の寺島徹の3人の最高幹部は隠蔽を決定。是正すべき立場にある厚労省も、医薬品の供給がさらに乱れることを懸念したのか、それに手を貸すという異常事態に陥っている。

......続きはZAITEN11月号で。

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