ZAITEN2023年11月号

月刊ゴルフ場批評73

「サニーカントリークラブ」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

コース_サニーCCの公式サイト.jpg 9月に入っても続く猛暑に耐えきれず、標高1100㍍の高原リゾート、長野県佐久市郊外の「サニーカントリークラブ」へ。佐久市というと、ゴルフよりスキーのイメージが強い土地だな。  

 実際、佐久市内から20㌔ほどあり、蓼科高原方面に向かう場所に位置する。新幹線利用でも都内から日帰りはタイトなので、「1泊2日満喫推奨プラン」をチョイス。朝、東京を出発し、10時過ぎにコースへ着き、昼から練習。夕方からBBQを楽しみ、翌日、1ラウンド後に帰京するプランだ。

 車を降りた途端、高原の涼しい風が吹き抜け、まさに別天地。身体全体がほっとした感じだ。  

 もともと27ホールを擁していた同CCだが、現オーナーになった2018年に浅間コース9ホールをクローズ。そのうち6ホールを回り放題のプラクティスホールとし、残りはドライビングレンジとアプローチエリアという、「サニーCCゴルフレンジ」として21年にリニューアルオープンした。

 ランチもそこそこに練習エリアへ。パッティンググリーンやアプローチエリア、バンカーそれぞれ20人以上は同時に使えそうな広さだ。レンジも300㍎ある。  

 ここで1時間ほど過ごした後、プラクティスホールへ。ショートコースみたいなのを想像していたら、元の浅間コースのレイアウトはそのままだ。バンカーやラフなどは手をかけていないが、グリーンはまずまずの状態で、練習コースと呼ぶにはもったいない。  

 ただし、まずまずのアップダウンもあるのに、カートがないため大変。クラブ数本で回るのがよさそうだな。

 夜、ハウスのレストラン前のガーデンテラスで極上BBQを味わい、翌日にいざ出陣! 3人でのプレーだったが、用意されていたカートはパッと見2人乗り? いや、2人乗りカートの座席とバッグスペースを横に拡げ、3人乗りに改造している。  

 聞けばフェアウエー乗り入れは3人乗りまで。4人乗りカートは乗り入れ不可としているそうだ(4人の場合は2人乗りカート2台の使用)。確かに3人でも1台で乗り入れできるのはありがたいが、ユーザーニーズの多様化で、カートまで改造するとは。

 肝心のコースは、アウトが池やクリークを効果的に配しながらも、開放的な高原リンクスといった趣。一転、インは白樺とカラマツにセパレートされた林間タイプだ。どちらもフェアウエーは広めで、アップダウンもきつくないから、ストレスフリーで楽しめる。  

 高地仕様のベントとノシバ混合のフェアウエーや、グリーンもまずまずのコンディション。酷暑で傷んだコースが多い下界のコースとは大違いだ。

 そうそう、レストランではネコ語でニャンニャンしゃべる配膳ロボットがいたぞ。レンジやカートの改造、ワーケーションプランの導入など、固定概念を覆す先進的な運営は見事だが、オールドゴルファーは驚きの連続だろうな。  

 いや、「ニャンニャン」と一緒に仕事をする現場のスタッフも、頭の中を整理するので大変か。ゴルフ場業界も激変中ですぞ。

●所在地 長野県佐久市協和3491-280 ●TEL. 0267-54-2121 ●開場 1975(昭和50)年4月29日 ●設計者 富沢誠造 ●ヤーデージ 18ホール、6859ヤード、パー72

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