ZAITEN2024年05月号

『池田大作と創価学会』小川寛大

【著者インタビュー】「池田大作と創価学会」

カテゴリ:インタビュー

2405S_池田大作と創価学会_書影.jpg
池田大作と創価学会
カリスマ亡き後の巨大宗教のゆくえ
文春新書/1045円+税

おがわ・かんだい―1979年、熊本県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。宗教業界紙『中外日報』記者を経て、2014年に宗教専門誌『宗教問題』編集委員、15年に同誌編集長に就任。著書に『南北戦争』(中央公論新社)、『神社本庁とは何か』(K&Kプレス)など。

―昨年11月15日、創価学会名誉会長の池田大作氏が、95歳で死去しました。今回の小川さんの新著は、まさにその「池田大作とは何だったのか」について書かれた本という認識で、いいのでしょうか。
 

 そうですね。創価学会とは公称会員(信者)数・827万世帯と謳う、日本最大の新宗教団体です。しかし、終戦後に事実上ゼロから歩み始めた団体で、その急成長ぶりにはすさまじいものがありました。池田大作氏とは、そんな創価学会の絶対的リーダーとして君臨し続けてきた人物でした。当然、創価学会の組織としての急成長は、池田氏の手腕によるものです。そういう意味で池田氏とは、戦後日本に綺羅星のごとくいた〝名経営者〟の1人だったとも、呼べるのではないかと思います。  

 ところで一方、これは周知のこととは思いますが、池田氏はその晩年、公の場にまったく姿を現すことがありませんでした。ここ十数年、その肉声は伝えられず、どこで何をしているのかもわからなかった。それがなぜだったかはともかくとして、そうした長期にわたる〝池田氏の不在〟は、社会における彼の存在感を、どんどん小さなものにしていきました。創価学会の内部でさえ、特に若手会員などには実物の池田氏を見たことがない、話も聞いたことがないという人さえ多く、昔ほど絶対的な崇拝を集めている感じでもなくなっています。  そうなると、いざ池田氏が亡くなったというニュースが流れても、創価学会の内外を問わず、いまいちピンとこない人が多いわけです。

......続きはZAITEN5月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

【著者インタビュー】『ルポ 司法崩壊』後藤秀典

【インタビュー】『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』安田峰俊

【自著紹介】佐高 信「玉木、立花、斎藤、石丸の正体 SNS政治家を撃つ」

佐高 信 vs. 吉永みち子「SNS政治家を蔓延らせる『金融資本主義』はもう限界」

特ダネ記者「放言座談会」

【著者インタビュー】『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田一史

【インタビュー】『持続可能なメディア』下山 進

佐高 信 vs. 江田憲司「波乱万丈の政治家が語る『財務省の大罪』」

佐高 信 vs. 田中眞紀子「政治の〝真剣勝負〟は田中角栄に学べ」

『追跡 公安調査』毎日新聞東京社会部記者  遠藤浩二