ZAITEN2024年05月号

製造・品質不正問題を起こした後発薬メーカーの共和薬品

メディパルHD「共和薬品買収」で業界再編加速

カテゴリ:企業・経済

 国内医薬品卸大手のメディパルホールディングス(HD)が、製造・品質不正問題を起こした後発薬メーカーの共和薬品工業を傘下に収めたことが業界で話題を呼んでいる。同社と投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が設立した子会社ジェイ・イー・エイチを通じ、共和薬品の全株式を3月1日付で取得したのだ。メディパルHDは、「共和薬品の事業を再建するための取り組み」(同社広報)と説明するが、同様に2社が設立した子会社ジェイ・エス・ディーを通じて買収した日医工と今後統合し、「有望事業だけを切り売りするのでは」(競合幹部)と楽屋雀が騒ぎ出している。

 買収した共和薬品は1954年設立の中堅後発薬メーカー。本社を大阪市北区に置き、直近の売上高は同社ホームページによると243億円。さまざまな後発薬を手掛けているが、神経・精神領域に強いことで知られている。  しかし、この共和薬品、2022年3月に、当局からの承認とは異なる手順で医薬品を製造したとして大阪府などから行政処分を受けているのだ。長年、承認書にない物質を生産で使っていたことなど、悪質さが際立

 っていたことから、三田工場(兵庫県)で33日間の業務停止といった重い処分を受けている。

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