ZAITEN2025年04月号

誰にとってもいいことナシ

【特集】〝死に体〟でも延命する「ゾンビ増田政権」

カテゴリ:企業・経済

 いくらトップが無能と分かっていても代わりがおらず、政治のオモチャにされるがままに経営の混乱が深まっていく―。日本郵政の現状について、総務省幹部はこうしきりに嘆いている。

 グループ傘下のかんぽ生命保険による不正契約問題を受けた経営刷新で、元総務相・元岩手県知事の増田寛也(1977年旧建設省)が日本郵政社長に就いてから丸5年が過ぎた。就任2年目の21年春にはグループの中期経営計画「JPビジョン2025」(21~25年度)を華々しく打ち上げたものの、業績不振の元凶である日本郵便のテコ入れを狙った物流事業強化などの施策はいずれも失敗続きで死屍累々の状況だ。このため、中計そのものが「絵に描いた餅」と化しており、社内でもほとんど関心が払われていないのが実情だ。

 最近もヤマト運輸との協業破談や年賀状需要の激減など暗いニュースばかり目立つが、当の増田は馬耳東風の体。日本郵政の経営再建よりも、人口減少問題の提言など〝副業〟活動に熱心なご様子で、経営者として無能なばかりか、無責任体質もさらけ出している。

ヤマト運輸と泥仕合

「敵対とも言える競争をしていた時代もあったが、両社相互のネットワークを活用することで(トラック運転手不足が深刻化する)物流2024年問題や温室効果ガスの排出削減など社会課題の解決を目指したい」。23年6月に開かれた日本郵政グループとヤマトホールディングス(HD)の協業発表の記者会見。登壇した増田は、「宅急便の生みの親」である故小倉昌男が経営した時代のヤマトと日本郵便が信書便の市場開放を巡って争った歴史にも触れつつ、こう大言壮語した。それから1年半も経たない昨冬、両社は手を携えるどころか、互いに契約違反を非難し合う泥仕合を演じる事態になり、協業はあえなく破談した。

......続きはZAITEN4月号で。

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