ZAITEN2025年04月号

〝虚言社長〟の中西勝也

三菱商事「張りぼて会見」の裏で布かれる〝箝口令〟

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 メディアや証券アナリストの間には憤りが渦巻く。

「張りぼて会見、なんだ、あの言い草は......」

 2月6日に開かれた三菱商事の今年度第3四半期決算の発表会見―。社長・中西勝也への質問は8274億円の連結純利益ではなく、洋上風力発電の522億円の減損損失に集中した。3日前、洋上風力の共同出資者である中部電力が179億円の減損を表明しており、質問攻めは予想されたことだった。それに対し、中西は「繰り返し申し上げている通り」と半ば苛ついた応対に終始したのだ。

 2021年12月、三菱商事が洋上風力の入札第一弾の3海域を圧倒的安値で総取りしたことは周知の通り。当時から〝ダンピング〟の批判はあったが、案の定、減損に追い込まれた。しかも、電力関係者は「とても522億円では済まない」と異口同音に語る。

「現在、事業性を再評価中」と繰り返す中西は、応札のリスク評価の甘さについて「自信をもって入れた値段。インフレを超えるコスト増加が押し寄せた」と不可抗力を強調、また事業撤退も「ゼロベースで見直している」と否定しなかった。しかし、株価暴落を恐れたのだろう、追加減損を問われると、「あっても影響は限定的」と言い切ったのだ。社内の一部には強い怨嗟の声が上がった。


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