ZAITEN2025年04月号

インバウンド6000万人の政府目標を支えられない

JAL「立ち直り遅れ」で長距離路線も廃止の惨状

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 2024年に日本を訪れた外国人は3687万人。政府が目標に掲げる「2030年6000万人」の6割にまでこぎつけた。数字を追うあまり、各地でオーバーツーリズムの問題が噴出していることにはいったん目を瞑るとしても、6000万人というインバウンド需要を達成するにはいくつものハードルが立ちはだかる。そのひとつが日本の航空会社と空港の体制である。なぜなら、島国である日本へ海外から訪れようとすると、ごく一部の船便(関釜フェリーや大型クルーズ船)を除けば、飛行機を使わざるをえないからであり、航空会社が用意した座席数以上の人は運べないからである。  

 日本の航空会社、特に国際線は事実上、JALとANAの2社の寡占状態にある。両社はそれぞれLCC(格安航空会社)の子会社を傘下に置いているが、歴史が浅くまだ国際路線網はそれほど多くない。コロナ禍からの立ち直りが遅れたこともあり、両社の国際路線網はコロナ前とそれほど変わっていないし、いまだに運休を続けている路線もある。

長距離路線は廃止のまま

 ANAは24年暮れから25年春にかけて、イタリア・ミラノ、スウェーデン・ストックホルム、トルコ・イスタンブールと欧州に新たに3路線の運航を始め、テレビCM等でも積極的にPRしている。

......続きはZAITEN4月号で。

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