2020/10/07

「粛清と復活人事」連続の“恐怖支配”で社内は疲弊

三菱商事 垣内社長「異形の独裁」経営

カテゴリ:企業・経済

2020_11_MC_front.jpg

2016年3月期の初の赤字転落の衝撃の中で社長就任を余儀なくされた三菱商事の垣内威彦。
「総合商社首位の絶対死守」を公約に掲げ、20年3月期も決算会計の妙手で、追い上げる伊藤忠商事を出し抜き、辛くも首位を守り切った。
しかし、商事内部では、「飼料部門出身」を殊更に強調する、垣内の珍奇なパーソナリティに由来するとされる〝恐怖政治〟が横行。近臣を重用し、女性秘書ですら異例の栄達に浴する一方、役員までが「物言えば唇寒し」の体で垣内に戦慄する有り様という。
新型コロナウイルス禍にも即応できず、21年3月期は首位防衛にも暗雲が垂れ込める。果たして「丸ノ内の紳士企業」で何が起こっているのか――。

「たった4年で会社はこんなに変わるものなのか」

 こう嘆くのは三菱商事OBだ。数年前に退職し現在は株主として古巣の行く末を注視する。近年、OBの間ではその変貌ぶりを懸念する声が高まっているという。

「たった4年」―。言うまでもなく、垣内威彦(65)が2016年4月に社長に就任して以降の4年間を指している。無論、OBだけではない。現役を覆う閉塞と疲弊は極限にまで達しているようだ。ある中堅幹部が打ち明ける。

「今や社内には明るい雰囲気はありません。垣内社長の独裁政治と垣内チルドレンのスーパー忖度。それに加えて業績の悪化。上から下まで真面目に働いている社員はかなり疲弊しています」  その証拠に、三菱商事の現今の社内状況を物語るデータがある。昨年8~9月に内外出向者や海外拠点を含む在籍者6000名近くに実施された「組織風土調査」。そのデータには、エリート集団であるはずの三菱商事社内の深刻な病理が浮き彫りにされていた。

「釈明メール」で隠された社内調査の〝不都合な真実〟

 三菱商事では社内風土の変遷を調べるため、09年度から社員に対してアンケート調査を実施。13年度からは中期経営計画に合わせて3年に1度実施している。「社員エンゲージメント」や「社員を活かす環境」「コンプライアンス」など16要素、項目は90以上、各項目を5段階(5非常にそう思う、4そう思う、3どちらとも言えない、2そう思わない、1全くそう思わない)で回答する。そして5と4を「肯定的」、3を「中立的」、2と1を「否定的」として、人事部と法務部が集計するのだという。

 調査結果が惨憺たるものだったのは、経済情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」の9月14日付記事〈三菱商事社長から全社員への「釈明メール」独自入手、軋むエリート集団〉のタイトルからも明白だろう。しかし、今年6月に垣内から全社員に送信された《変化への対応力を強化するために》と題した釈明メールでは、巧みに漂白された調査結果がある。

......続きは「ZAITEN」2020年11月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

三菱商事 垣内社長「異形の独裁」経営

三菱商事 垣内社長「異形の独裁」経営

武田薬品で始まった「高額退職金リストラ」

神戸製鋼「今さら石炭火力発電」の窮地

「小泉進次郎」を操るGPIFの水野弘道元CIO

スガノミクスに群がる官僚と経営者たち

日本M&Aセンター会長と「銀座クラブ」

武田薬品「そして、誰もいなくなる」

経産省「脱炭素」で電力再編の策謀

キヤノン御手洗「赤字決算」でも野球観戦

コロナで安堵する「黒田日銀」に人事抗争