ZAITEN2021年3月号

安倍晋三の兄が上梓した“家族礼賛本”

老母とお誕生日会「安倍家のキモい素顔」

カテゴリ:政治・国際

〈政治家の家に生まれた長男が、初めて明かす家族の素顔〉―こんなキャッチコピーの一冊の本が最近、書店に並んでいる。

 タイトルは『安倍家の素顔』。前首相安倍晋三の兄である安倍寛信が、「オデッセー出版」なる版元から何の前触れもなく上梓した書籍だ。同社は芸能事務所、アップフロントのグループ会社で、普段はアイドル写真集を中心に扱っていることもあり、「永田町では真意を探ろうという動きが相次いだ」(政界筋)ともいう。

 それにしても、PRは大掛かりで異様だった。1月中旬に読売、朝日、日経、産経が続々と広告を掲載。安倍家の家族写真が並び、JT元会長の本田勝彦(元NHK経営委員)による〈寛信くんは、長男としてしっかりしている。晋三くんは、祖父ならびに父の思いを胸に総理を立派に務めあげた〉とのメッセージが躍っている。

 肩書に《安倍家初代家庭教師》とあるように、安倍家と縁のある本田が推薦文を寄せるのはまだ分かる。が、藤原紀香の夫で歌舞伎俳優の片岡愛之助が〈私たちは【安倍家】の一面しか知らなかったのかもしれない〉、さらにテノール歌手の秋川雅史が〈(安倍の母)洋子さまのさりげない気配りに......日本の美徳を感じます〉といった意味不明な惹句が躍る広告を見せられると、途端にチンドン屋的な芸能界臭が漂う。ちなみに、アップフロント提供の地上波番組でテレビCMまで打たれた。

 晋三より2歳上の寛信は、1975年に成蹊大経済学部卒業後、三菱商事に入社。2012年から三菱商事パッケージングの社長を務める。メディアへの露出は少なく、「直撃してもほとんど話さないことで有名」(週刊誌記者)。そんな安倍家の長男が、なぜこのタイミングで本を出したのか。

......続きは「ZAITEN」3月号で。

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