ZAITEN2022年1月号

「アジア開発敗北」で一応落着も――

【経済安保特集】東京機械を免罪した経産省「経済安保」のお題目

カテゴリ:企業・経済

 新聞の生命線とも言える輪転機製造で、東証1部に上場する東京機械製作所の株が、香港の金融筋を背景に持つ東証2部上場のアジア開発キャピタルに買い占められた一連の「乗っ取り騒ぎ」。本誌前号で既報の通り、東京機械に赤字受注の状態で輪転機を作らせていた大手マスコミは、「乗っ取り反対」の大合唱を展開した。

 8月から続く一連の攻防戦は、10月に買収防衛策導入を議題とする臨時株主総会で東京機械が勝利し、11月に東京地裁・高裁が東京機械の買収防衛策を支持する決定を出したことから、「アジア開発敗北」で一応の落着を見た。

 ところで、この東京機械を巡る攻防戦では利害関係のある大手マスコミに加え、「日本政府」も、水面下で東京機械の"防衛側"で動いていたようだ。

 臨時株主総会を控えた9月11日、政府が「経済安全保障の観点」から、アジア開発の株式の取得状況について情報収集を始めたことが報じられた。〈経済安全保障政策に関わる内閣官房が東京機械買収の動きについて、経済産業省など関係省庁に情報収集を促した〉(時事通信)という。

......続きはZAITEN1月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

日本製鉄「USスチールに2兆円」空中分解必至の無謀な「巨額買収」

植田日銀が画策する「福井元総裁並み」利上げ

JT ロシアに4000億円納税する「世界最大の戦争支援企業」

日本郵政・増田社長「料金値上げ」の経営失策

エネオス社内で囁かれる「脱・杉森」クーデター説

SBI北尾「令和の政商」に〝高転び〟の予感

LINEヤフー「個人情報漏洩」で露呈した苦肉の合併

「日本を蝕む製薬企業」の闇

【特集】エネオス「コンプラ崩壊」の惨状

エースコック「持続可能性」をはき違えた新商品