ZAITEN2022年04月号

ITバブル崩壊、中国株リスク、そして幹部の内紛……

みずほ銀行も見捨てる「ソフトバンク」の命脈

カテゴリ:企業・経済

「AI(人工知能)革命の先導役になる」「300年永続する企業をつくる」―。大ボラを吹いては投資家から資金を集め、世界中のITベンチャーに巨額の相場を張る博打ビジネスを謳歌してきたソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義もそろそろ年貢の納め時か。米国の金融引き締めによるIT株バブル崩壊や、投資先の中国IT企業の企業価値の暴落に見舞われて経営も財務も日増しに悪化。孫が軍資金調達の「ラストリゾート」(最後の貸し手)と頼んできたみずほ銀行ももはや当てにできず、社内では外国人幹部同士の内紛まで勃発しているからだ。孫が1981年にパソコンソフト卸の日本ソフトバンクを起業して40年。その帝国は崩壊の危機に瀕しているようだ。

〝強気〟の決算説明会

マイクロチップに憑りつかれ、事業家としての人生が始まった。その思いから2016年に(英半導体設計大手)アームの買収に漕ぎつけた」「これから黄金期を迎えるアームが我々の手に戻ってきた。半導体業界史上最大の株式上場を目指す」―。

SBG本社が入居する東京・竹芝の真新しいインテリジェントビルで2月8日に開かれた21年10~12月期の決算説明会。黒いタートルネックセーター姿で登壇した孫は、本題の決算説明を度外視して冒頭からアームの将来性の高さを喧伝するPRに執心した。都合の悪い話題をあえて取り上げて窮状を隠し、新たなチャンスが巡ってきたように装う孫一流のプレゼンだ。説明会の半分以上がこの話題に費やされた。

......続きはZAITEN4月号で。

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