ZAITEN2023年03月号

新体制発足でも前途は波乱含み

JPX清田「生え抜きの反乱」の自業自得

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 内規違反の利殖、システム障害による前代未聞の終日売買停止、「羊頭狗肉」の東証改革―。数々の失態にも責任逃れを続け8年にわたり東京証券取引所を傘下に持つJPXグループCEO(最高経営責任者)に居座ってきた清田瞭(最高経営責任者、77歳、元大和証券グループ本社会長)が4月、ようやく表舞台を降りる。清田は「二度と重大な(システム)トラブルを起こさないよう再発防止を徹底し改善のメドが立った」と、取ってつけたような退任理由を語った。しかし、実態は「いつまでもロートルトップを戴いたままでは組織が腐り、東証の地盤沈下も止まらない」と危機感を強めた生え抜き幹部らの〝反乱〟に抗しきれなくなったことによる。JPXは東証社長の山道裕己(67歳、元野村証券専務執行役)をCEOとする新体制に衣替えするが、市場改革もDX(デジタルトランスフォーメーション)も中途半端に終わった清田の「負のレガシー」の代償は大きい。

山道は「つなぎ政権」

「投資銀行家としてキャリアを積み、組織の動かし方、人の使い方に慣れている」。清田は昨年12月のトップ交代発表の記者会見で後継CEOを選んだ山道をしきりに持ち上げた。野村証券時代の山道が欧米に18年間駐在し、現地法人トップも務めた経歴をフレームアップしたものだ。

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