ZAITEN2023年09月号

「中経連」会長の座にしがみつく

中国電力・清水希茂前会長の「汚れた晩節」

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 中国5県(岡山、広島、山口、島根、鳥取)の財界を統括する中国経済連合会(略称中経連)でトンデモ人事が罷り通っている。1966年発足の中経連は現職の9代目会長、清水希茂(71)まで全員中国電力の会長(または会長就任内定者)が歴任。その清水が昨年公正取引委員会に摘発された電力カルテル事件の当事者として中国電力会長からの引責辞任に追い込まれた。当然、中経連会長ポストも返上すると見られていたが、まさかの続投宣言。厚顔無恥の経営者を数多く輩出してきた電力業界でも「前代未聞の開き直り」と呆れる声が上がっている。  

 6月7日、広島市内のホテルで開かれた中経連総会と理事会を終えた後、記者会見した清水は冒頭「理事会から続投の要請があり、これまでの恩返しのため続投することになりました」と述べた。地元紙『中国新聞』が同日付朝刊で〈中経連会長、清水氏の続投公算大〉と前打ちで報じていたとはいえ、「慢性的なガバナンス不全の会社だが、ここまで〝重症〟とは思わなかった」と経営学が専門の大学教授は指摘する。

 周知のようにカルテルは、複数の事業者同士が契約や協定で価格や数量を取り決め、競争を阻害する行為を指す。公共事業の入札を妨害する「談合」に対し、「カルテル」は私的な商行為も対象となり、資本主義の根底を成す市場競争の原理を排して「消費者の犠牲の上に事業者が利益を得る」極めて破廉恥な企業犯罪。独占禁止法では違反者に対し5年以下の懲役または500万円以下の罰金の刑事罰に加え、違反期間中に不当に得た利益の額に相当する課徴金が課せられる。

......続きはZAITEN9月号で。

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