ZAITEN2023年11月号

魚は頭から腐る︱

【特集】政治とつるむ「JA全中」と疲弊する「単位農協」

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 農業協同組合(JA)グループでは、全国の農協を束ねる代表機関であるJA全中が農水族議員ら政治とつるんで復権ぶりを喧伝する一方、主要事業が総崩れで収益確保に四苦八苦する各地の単位農協の疲弊ぶりが際立っている。JA共済(保険)の販売を巡り、過酷なノルマを押し付けられ、その達成のため自腹で加入する「自爆営業」や、顧客に無断の不正契約が横行しているのは象徴的だ。時間外手当もまともに出ないブラック職場ぶりに職員の大量退職も後を絶たない。JA全中に連なる事業別の全国組織が約550の農協に営業目標を割り振り、その達成を強制するような上意下達で時代遅れのビジネスモデルは限界に近付いている。

一般職員にも高いノルマ

 JAグループは時の政権や永田町などとの政治折衝を主な任務とするJA全中を頂点に、「JA全農」「JA共済連」「農林中央金庫(農林中金)」という3つの事業別の中央組織が鼎立。この3者が都道府県組織である「JA経済連」や「JA信連」、各地の単位農協に営業目標を指示し、ビジネスを回すピラミッド構造となっている。  

 JA全農は農畜産物の販売や生産資材の供給といった経済事業を、JA共済連は生保や損保に相当する保険事業を、農林中金は貯金や融資、資金運用など信用事業をそれぞれ手掛けている。このうち問題となっているJA共済連は保有契約残高が2021年度で91兆円と、第一生命(88兆円)など大手生保をしのぐ規模を誇る。ただし、近年は主力である長期共済の新規契約高が17年度の32兆円をピークに右肩下がりとなっており、21年度は16兆円強と半減している。その焦りからかJA共済連は各地の単位農協に厳しい営業ノルマを課してきたとされる。

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