ZAITEN2023年10月号

万博テーマとは逆行

経産省と維新が招く大阪・関西万博の「絶体絶命」

カテゴリ:政治・国際

〈万博PR船が座礁、世界一周は断念〉。

 8月1日、こんなニュースがネット上で話題になった。

 2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協)が「スペシャルサポーター」として任命した世界最大級のソーラー船「ポリマ号」。21年12月に大阪港を出港し、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに寄港後、同8月にインド・ムンバイ沖で座礁。「宣伝船どころか、万博そのものが〝座礁〟しそうなのに」と関西財界の長老はため息をつく。

万博テーマとは逆行

 連日のように大阪万博を巡るネガティブ情報が日本中に溢れている。かねてより海外パビリオンの着工の遅れなどが問題視されていたが、7月に入りその懸念を強く訴えたのが、万博協副会長でもある関西経済連合会会長(住友電気工業会長)の松本正義(78)。18日の関経連定例記者会見の席上、海外パビリオンについて「開幕まで1年半しかないのに設計図もない国もある」「(大阪万博から)撤退する国もあるのではないか」と危機感を露わに指摘した。  

 実はその5日前、万博協事務総長の石毛博行(72)がパビリオン建設は「年末までに着工すれば開幕に間に合う」と発言をしていた。石毛は74年に東大経済学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省。中小企業庁長官や経済産業審議官を歴任した後、退官後は日本貿易振興機構(JETRO)理事長を長く務めるなどキャリアは華々しい。しかし、万博協関係者は「大言壮語を吐いて能弁だが、実務能力はない。経産官僚に多い口舌の徒」とバッサリ。

......続きはZAITEN10月号で。


購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

自民自動車議連会長に「甘利」就任で業界は警戒感

河野デジタル庁「マイナ保険証に血道」で総スカン

【特集1】診療報酬改定で「〝お坊ちゃま〟武見大臣」を操る財務省

財務省〝本業は苦戦〟も「植民地支配」は着々

【特集】農林中金「ヘッジファンド化」模索の皮算用

【特集】日本の農業を破壊する「JAグループ」と農水族

【特集】政治とつるむ「JA全中」と疲弊する「単位農協」

【特集】日本の農業を破壊する「JAグループ」と農水族

経産省と維新が招く大阪・関西万博の「絶体絶命」

【特集2】経済安保利権の〝走狗〟と化す「甘利一派」と「コンサル人脈」