ZAITEN2024年03月号

「岸田政権混乱」は追い風か逆風か

植田日銀が画策する「福井元総裁並み」利上げ

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「日本もいよいよ『金利のある世界』に戻る」。年明け以降、マスコミや金融界はこう騒ぎ立てている。初の学者出身総裁の植田和男が率いる日銀も「賃金と物価の好循環に自信が持てれば、躊躇なく政策修正に踏み切る」としきりにアピールし、2013年から10年以上続けてきた異次元緩和からの脱出に意欲満々だ。

 手始めはマイナス金利の解除となるが、副総裁の内田眞一(1986年入行)をはじめ生え抜きの企画ラインは「その先の利上げも当然考えている」と17年ぶりの利上げに逸る気持ちを抑えきれない様子。「最低でも年内に福井ラインまでは行きたい」と強気の幹部もいる。「福井ライン」とは、量的緩和とゼロ金利を解除した福井俊彦(57年同)総裁時代の07年2月に実現した短期の政策金利0・5%を指す。素人目で見ると、ゼロも0・5%も大して変わらないようにも見えるが、デフレが続いた日本ではこの水準が今世紀に入ってから短期の政策金利の最高水準だ。

 負けん気が強い福井は総裁在任中に「金利機能が働く最低水準として1%まで利上げを目指していた」(元理事)とされるが、米住宅バブル崩壊などで頓挫した経緯がある。

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