ZAITEN2024年05月号

この期に及んでも「危機感」が欠如

LINEヤフー「総務省カンカン」で解体危機

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「憲法にも関わる『通信の秘密』が漏洩されたと認定した意味は重大だ。親会社のソフトバンクの〝逃げ恥〟は許さない」  

 3月5日、メッセージアプリ、LINEサービスで利用者情報の漏洩を繰り返したIT大手、LINEヤフーを電気通信事業法に基づき行政指導した後、総務省の幹部は語気を強めて、こう言い放った。旧LINE社はヤフーとの経営統合直後の2021年4月にも行政指導を食らっているが、今回はレベルが格段に違う。昨年11月に発覚したLINEアプリの利用者の個人情報など51万件が流出した可能性がある事案に関連し、同法で通信事業者に適切な取り扱いを求められている「通信の秘密」に抵触すると認定されたからだ。  その上で、情報漏洩が止まらない原因は旧LINE社の親会社である韓国の大手IT企業、ネイバーの情報管理体制の不備にあると断定。旧ヤフー社の親会社である携帯電話大手、ソフトバンクに対して、LINEヤフーの経営を監督するネイバーとの共同出資会社の資本構成を見直すように要求するまで踏み込んだ。携帯電話会社という認可事業者である以上、「お上のお達しにゼロ回答はあり得ない」(業界筋)。

 一方で、ネイバー側が資本構成の見直しに応じる保証はなく、宮川潤一らソフトバンク経営陣は「行政指導がこれほど厳しい内容になるとは想定していなかった」とオロオロするばかり。業界では旧LINE社の再分離の観測さえ取り沙汰されており、「米GAFAに対抗する」(会長の川辺健太郎)とぶち上げて3年前に発足したLINEヤフーはグループ解体の危機にさらされている。

......続きはZAITEN5月号で。

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