ZAITEN2024年08月号

国民には百害あって一利なし

JAと族議員が利権拡大「亡国の農基法改正」

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「これで安倍晋三政権時代からの農協改革路線を完全に葬り去り、思い通りに農業政策を動かせる」―。自民党農林族のドン、森山裕や、全国農業協同組合中央会(JA全中)会長の山野徹(JA鹿児島県中央会会長)は、さぞ溜飲を下げていることだろう。  国の農業政策の基本方針を定める「改正食料・農業・農村基本法」が5月29日、参院本会議で可決・成立した。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとした世界的な食料危機に便乗、「食料安全保障」を名目にして、サラリーマン兼業農家や零細農家にまで国の手厚い支援を行う「保護農政への回帰」に法的なお墨付きができた形。JAの組織防衛につながり、森山ら農林族議員は選挙での農村票の維持が期待できる算段だ。一方で「ゾンビ農家」が生き残ることで専業農家への農地の集約は進まなくなり生産性向上は望めない。つまり食料安保には役立たずというわけだ。消費者も割高な国産農産物を買わされ続ける。これでは「亡国」の農基法改正というしかない。

「バラマキ農政」の復活

「農政の憲法と称される基本法の抜本改正を受け、今後は農林水産業の所得向上に向けた、農林水産食品分野の政策の再構築を進める」。

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