ZAITEN2025年09月号

蓋を開けてみればとんだピエロぶり

【特集】SBI北尾「フジ経営参画大失敗」で〝赤っ恥〟

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「だから言わんこっちゃない。大将の暴走を止められず、大恥をかかせた上に、企業イメージまで悪化させた役員たちの責任を問いたい気分だ」  会長兼社長の北尾吉孝(74歳)を戴くインターネット金融最大手、SBIホールディングス(HD)社内では今、社員たちの間で、こんなやり場のない怒りが広がっている。  

 フジテレビの親会社であるフジ・メディアHD(FMH)が6月25日に開いた株主総会で、大株主の米アクティビストファンド、ダルトン・インベストメンツが提案した北尾を含む取締役選任の株主提案が圧倒的多数で否決されたからだ。

 大将こと北尾は、ダルトンからの取締役候補就任要請を受諾したことを受けて4月17日に記者会見を開催。タレントの中居正広による元女性アナウンサーへの性暴力問題をきっかけに経営危機に陥ったFMHについて、自らの手で「企業文化・経営・風土を融和させる」と強調。「FMH側が敵対的な態度を取るなら、私も徹底的に勝負する」などと啖呵を切った。  しかし、社内では当初から「ファンドのオモチャにされるだけではないか」(中堅幹部)と危惧する声が出ていた。そうした懸念が的中し、ダルトンが提案した北尾取締役案に対する株主の賛成率は3割にも届かず、大惨敗という結果に終わった。

甘言に乗せられ

 40年近くにわたった前取締役相談役の日枝久(87歳)による歪な経営支配が女性の人権を蔑ろにするような悪しきカルチャーを生んだFMH。新社長に抜擢された清水賢治(64歳)が経営の若返りで再生をアピールする中、「後期高齢者(75歳)一歩手前のロートル人材」(フジテレビ幹部)である北尾が取締役に入る余地はそもそも乏しかった。にもかかわらず、北尾は「FMH代表取締役会長に就いて、堕ちた名門民放を復活させたい」などとする妄想に駆られて、ダルトンの誘いに乗った。

 新社長の清水について「彼のことは評価している。上手くやれる」などとしきりに秋波を送っていたのは、ダルトンと敵対するFMH側も一代でネット金融帝国を築いたSBIHD会長兼社長の自分の事は蔑ろにはしないはずなどと、勝手に思い込んでいたからだろう。あにはからんや、清水含むFMH経営陣は4月末、経営改革を名目に取締役の定年制(常勤取締役65歳、代表取締役70歳)を導入し、北尾の経営参画にきっぱりとノーを突きつけた。

......続きはZAITEN9月号で。

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