ZAITEN2025年09月号

ついに焼きが回り始めたか

SBIグループ「北尾経営迷走」で危うい現在地

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「母親は100歳を超えるが元気だ。僕もやれるところまで勝負する」。ネット金融最大手、SBIホールディングス(HD)会長兼社長の北尾吉孝(74歳)は、マスコミから後継者問題を問われると、決まってこう嘯いている。

 創業者として株式上場に伴う多額のキャピタルゲインを手にしている上、年間報酬は約3億円。都内一等地に複数のマンションを所有し、熱海や軽井沢にも別荘地を保有する億万長者だ。

それだけに、後期高齢者(75歳以上)の仲間入りをする来年には経営の一線を退き、悠々自適の生活を送ってもいいはずだ。にもかかわらず、経営権を決して手放さず、後進に道を譲ろうとしないのは、連結売上高が1兆円を大きく超える金融グループを支配する権力の心地よさに抗いがたい故か。社内では「最低でもSBI創業30周年となる2029年度まではトップを降りる気はさらさらない」と囁かれている。

社内に漂う不安感

 問題は「勝負には絶対勝つ」と豪語してきた北尾の経営判断に衰えの兆しが見え始めていることだろう。フジテレビを傘下に持つフジ・メディアHDの経営支配を巡る妄想や、パートナーの台湾企業に逃げられ頓挫した車載向け半導体事業への進出の失敗だけにとどまらない。北尾が「大成功」と喧伝するSBIHDとNTTとの資本業務提携(今年5月発表)についても、かつては考えられなかったようなビジネス戦略面での詰めの甘さが指摘され、「どこまでグループの成長力強化につながるのか」(元幹部)と疑問視されているのが実情だ。

......続きはZAITEN9月号で。

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