ZAITEN2022年04月号

数々の問題発言・差別発言を遺した男の本質とは―

古谷経衡 亡国の政治家「石原慎太郎」の信心

カテゴリ:政治・国際

2204_石原慎太郎_公式サイト.jpg石原慎太郎氏(写真は公式HP)

 石原慎太郎が1968年7月に参議院選挙で初当選して国会議員になった時、「霊友会から20万票を融通してもらった」という実しやかな報道が流れ、それ以降「石原は霊友会の信者なのではないか」という説が定着した。  現在でも「石原は霊友会信者」という書き込みは彼の死後いたるところに散見される。石原は晩年に至るまで、霊友会の信者であると明言したことは無いが、霊友会と蜜月であったことは揺るぎようのない事実である。98年12月、幻冬舎から『法華経を生きる』が石原著として出版された。翌年4月に石原が初めて東京都知事選挙で鳩山邦夫、舛添要一らを制して圧勝した半年前である。この本の中に石原自らの手で回答が述べられている。  石原と霊友会の邂逅は、68年の参院選で政治家に転身する前、新聞社の依頼でベトナム戦争の取材に赴き、帰国後、急性肝炎に罹患して死線を彷徨った際、法華経を熱心に精読したことから始まる。とは言え、この段階において石原家は曹洞宗信徒であり、霊友会との繋がりはない。  石原によると肝炎治癒の後、参院選出馬を迷っている際、産経新聞の社主であった水野成夫から「(選挙に出るなら)20万票作ってやる」と言われる。驚いた石原は「どこからですか」と尋ねる。水野は「霊友会だ。あそこの教祖と俺(水野)は義兄弟なんだ。彼女に頼んで票を分けてもらうから君も一緒にこい」と述べ、霊友会の創設者の一人・小谷喜美を紹介される(正確には再会)。そこで小谷から「(票を出す)代わり、あんた私の弟子になりなさい」と言われた石原は、霊友会の全面支援の下、当選する。石原の言を信じるなら、彼の法華経精読は霊友会との邂逅前に始まっている。石原と霊友会の関係はあくまで選挙協力で、石原が霊友会の信者になったとする記述はないが、両者の蜜月はこれを嚆矢に続いていく。

石原の分裂した世界観


『法華経を生きる』は石原の人生観の披歴であり、死生観のそれでもある。贔屓目に見なくても面白く読める。筆致はウィットに富み、古今東西の哲学者や宗教家の解説と並列して法華経の素晴らしさが語られる。石原が自称するように、なかなかのインテリが書いたものとして間違いはあるまい。同書の中で石原は、釈迦の教えを引用し、「昔から男に比べてなおいっそう惨めな立場に置かれていた女たちを含めて(中略)釈迦は身分の格差を不条理なものとして捉え、それを踏まえて人間の存在の意味を考え、それを考え切ることで人間の救済の意味について考え出した」として、釈迦を全肯定する。

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