ZAITEN2025年09月号
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金融庁「オーパス伊藤〝本命長官〟」の眉唾
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7月で発足から四半世紀を迎えた金融庁。ここ数年、毎年のようにトップ昇格が取り沙汰されてきた伊藤豊(1989年旧大蔵省、前監督局長)が、満を持して長官に就いた。庁内もさぞ盛り上がっていると思いきや、就任から1カ月近く経っても伊藤は表舞台にあまり出て来ず、官僚の間には沈滞ムードさえ漂う。背景には、金融界で噴出する不祥事に後手の対応を続けてきた失態や伊藤個人が抱える怪しい人物からの接待スキャンダル疑惑があるようだ。このままでは「本命長官」も形無しだ。
伊藤は財務省中枢のエリートコースとされる官房秘書課長を4年務め、2019年に本人の希望で金融庁審議官に転身した。財務省秘書課長時代には森友学園への国有地売却を巡る文書改竄問題の幕引きにも奔走。この「功績」を高く評価した財務省は、金融庁に「エース官僚を手放すのだから、将来、必ず長官にするように」と異例の申し入れを行ったとされる。
にもかかわらず、伊藤は22年に事実上ナンバー2の監督局長に就いたものの3年間もそのポジションに留め置かれた。昨夏の人事では金融行政の非主流の「制度屋」で下馬評に全く上がっていなかった「別のイトウ」こと井藤英樹(88年同)に長官ポストを奪われ、サプライズを呼んだ。東大入学まで二浪し留年もした伊藤は同期入省官僚に比べて歳をくっており、ここ数年は局長の役職定年(60歳)の期限延長を重ねながら、長官に指名される日を待つ臥薪嘗胆を余儀なくされてきた。
「オーパス伊藤」
「東大野球部主将兼捕手というスポーツマンらしい爽やかさ」「永田町や産業界の人脈も豊富」。庁内や霞が関で評判が高かった伊藤の長官就任が長らくお預けにされてきたのは、22年10月に『週刊文春』で報じられた怪しげな人物からの供応接待疑惑が尾を引いてきたからだ。
......続きはZAITEN9月号で。